たまがき歯科クリニック

今日は診療終了後、阪大の第一口腔外科の古郷教授と顎口腔機能治療部の阪井教授にご挨拶に伺いました。
お忙しい中、お時間をとっていただき有意義な時間を過ごさせていただきました。
その後は、同期の先生とご飯を食べに行きました。
久しぶりに千里中央の”和”というお店に行きました。ここは、研修医時代先輩の先生方によく連れて行ってもらったお店で懐かしかったです。
ズワイガニやノドグロ、美味しかったです。
阪大では楽しい時間を過ごさせていただきましたが、今日は診療中に辛い報せがありました。
急性期病院の前で歯科医院をやっておりますので、毎日往診に行っております。
よくあることですが、本日また、病棟から訃報が届きました。
辛いことです。
乳がんから多発骨転移でケモを続けていた方です。
往診依頼を受けた当初は生きる希望を失っておられました。
歯科医師はすぐ抜歯するという歯科医師に対する不信感もかなりあったようです。
外科のドクターに非抜歯でケモを開始するように依頼しました。
かなりPは進行していましたが、デンチャーにするとますます生きる希望を失いそうだったからです。
口腔ケアしながら、いろいろ話をさせていただきました。
少しずつ希望を持つようになって、診察が終わると強く手を握ってくれるようになりました。
僕も強く握り返しました。
行くたびに”先生、食欲旺盛やねん。”と言ってくれていました。
日に日にカヘキシーが顕著になっているのが見て分かりました。
しかし、
”治療を乗り越えて、リハビリを終えて、自分の力で僕のクリニックに往診ではなく、外来に来て。”
と言い続け、約束していました。
毎回、手を握ってくれる力の加減で、その方の身体の調子を感じていました。
手を握り忘れたときは、わざわざ病棟に戻って、手を握りに行ったこともありました。
ただ、前回だけ往診が混んでいて、手を握れずじまいでした。
明日も行く予定でしたが、本日の死亡退院のしらせで無くなりました。
悔やまれます。
今考えると、僕が励ましていたつもりでしたが、食欲旺盛と偽って、僕を元気づけていたのかもしれません。
ご冥福をお祈りします。