双子素数(Twin primes)に関する考察

双子素数とは、その差が2である素数の組のことです。たとえば、3と5はともに素数で、差が2なので双子素数です。

(3、5)、(5、7)、(11、13)、(17、19)、(29、31)、…

などのことです。では、一体この双子素数はいくつあるのでしょうか?

無限にありそうですけど、実は、未だに不明なのです。

では現在、知られている最大の双子素数は、といいますと、(318032361×2107001±1)という32220桁の双子素数が発見されています。

ちなみに三つ子素数は(3、5、7)の一組しかありません。

三つ子素数は(3、5、7)の一組しかない。

(証明)

三つ子素数を(2n+1、2n+3、2n+5) (n = 1、2、3、…)とおく。

(1)

2n+1≡1(mod 3)

とすると

2n+3 ≡ 0(mod 3)

となり 2n+3 が3の倍数となって、素数とはならない。

(2)

2n+1≡2(mod 3)

とすると

2n+5 ≡ 0(mod 3)

となり 2n+5 が3の倍数となって、素数とはならない。

(3)

(1)(2)より 2n+1 は3の倍数となるわけだがそのうち素数となるのは3のみ。

以上、(1)(2)(3)より三つ子素数は(3、5、7)の一組しかない。

(証明終)

三つ子素数に関しては、簡単に片づきましたね。しかし、双子素数となるとそうはいかないようです。

(3、5)以外の双子素数は( 6n±1 ) ( n = 1、2、3、…)の形であらわされる。

理由は後回しにしてまずその2つの数列を眺めてみましょう。

n
1
2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
6n-1
5
11 17 23 29 35 41 47 53 59 65 71 77 83 89
6n+1
7
13 19 25 31 37 43 49 55 61 67 73 79 85 91

うーん、確かにこの中に双子素数は入っていますねえ。素数表を眺めてみても無限に双子素数が存在するような気がします。

さて理由は?

理由は簡単。2、3以外の素数は( 6n±1 ) ( n = 1、2、3、…)の形であらわされるからです。

なぜかといいますと

6n ≡ 0(mod 6)

6n+2 ≡ 0(mod 2)

6n+3 ≡ 0(mod 3)

6n+4 ≡ 0(mod 2)

よって素数となりうるのは( 6n±1 )しかないわけです。

<陳景潤(Jing-Run Chen)の挑戦>

双子素数が無限に存在するかという問題に関して、あまり進展のないままに長い年月が過ぎました。その沈黙を破ったのが、中国の数学者、陳景潤です。彼によると素数と、その差が2である2素数の積であらわすことができる合成数の組は無限に存在する(1966年)ということです。つまり、

{素数p、2素数の積(p+2) }の組は無限に存在する。

ということです。

続く

 双子素数(Twin primes)に関する考察