独立性の検定(カイ2乗検定)

2つの事象A,Bについて、独立かどうかを検定する方法を紹介します。まずは手順から…。 

1.まずは、仮説から…。

帰無仮説:”2つの事象A,Bは独立である。”

対立仮説:”2つの事象A,Bは独立でない。”

2.有意水準 α を決め、そのときのカイ2乗分布の値 k をカイ2乗分布表より得る。

3.データを表にする。

事象 A1 A2 合計
B1 A1B1 A2B1 SB1
B2 A1B2 A2B2 SB2
合計 SA1 SA2 S

4.検定統計量T(カイ2乗)を計算する。

⇒ T>k で帰無仮説を棄却し、対立仮説を採用。つまり、有意水準αで、2つの事象A,Bは独立でないといえます。

 

新たに開発された狭心症の新薬を服用した人と、プラセボ(偽薬)を服用した人の5年間の発作が出現を表にすると次のようになった。
  発作出現せず 発作出現 合計
新薬 78 13 91
プラセボ 65 22 87

新薬は効果があったと考えて良いか?

まずは仮説をたてます。
帰無仮説:

”新薬と狭心症は独立である。つまり、新薬は効果がない。”

対立仮説:

”新薬と狭心症は独立でない。つまり、新薬は効果がある。”

有意水準 をα=0.05 とし、そのとき自由度2-1=1のカイ2乗分布の値 k は3.84。

データを表にする。

  発作出現せず 発作出現 合計
新薬 78 13 91
プラセボ 65 22 87
合計 143 35 178

検定統計量Tを計算する。

検定統計量T=178×(78×22-13×65)2/(143×35×91×87)

= 3.408

以上よりT(=3.408)<k(=3.84) で帰無仮説を棄却できない。つまり、有意水準α=0.05で新薬の効果は見られないと考えられます。

 

 独立性の検定(カイ2乗検定)