標本より推定した値がでると、次はその値が確率的に充分正しいものかどうか判断することが必要です。この作業のことを、検定といいます。その検定の流れを下図に示します。
<仮説>
まずは仮説を立てるところから始めます。仮説には、帰無仮説と対立仮説があり、この2つの仮説を立てます。
帰無仮説
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帰無仮説は棄却される(否定される)ことを期待して立てられる仮説。
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対立仮説
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対立仮説は帰無仮説が棄却されたときに、採用される仮説。
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この2つの仮説は次のようなものです。
帰無仮説: ”AとBに差がない。”
対立仮説:
1. ”AとBに差がある。”つまり”A<BまたはA>B。”
2. ”A<B”
3. ”A>B”
このように棄却が期待される帰無仮説は一種類しかありませんが、それに対する対立仮説には三種類考えられます。
<有意水準>
帰無仮説が正しいときに、それを誤って棄却する確率。危険率とも呼ぶ。α=0.05で設定される場合が多い。
<検定の誤り>
検定における誤りは次の2種類の誤りがあります。
第1種の過誤(生産者危険)
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帰無仮説が正しいにもかかわらず、棄却すること。これが起こる確率が有意水準(危険率)。
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第2種の過誤(消費者危険)
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帰無仮説が誤っているのもかかわらず、採用してしまうこと。 |