M-94は1920年代前半から1942年までアメリカ陸軍の通信隊(S.C.:Signal Corps)で使用された暗号復号装置です。アメリカ海軍によって使われていたものは、CSP-488と呼ばれていました。それは、ジェファーソン装置とも呼ばれ、バゼリーズ装置によく似ていたとのことです。こうして登場したM-94は、すべてがアルミニウムでつくられたもので、共通のシャフトに25のディスクが取り付けられていました。そのそれぞれのディスクはすべて番号を持ち、その外周面には文字が記載されていました。その文字列の中でディスク17は、よく見ると、M-94と確認できる「ARMYOFTHEUS」の文字が並んでいます。この装置を用いて、単純な換字式暗号機として使用していたわけです。