M-209(CSP-1500)は、戦時中のメッセージの暗号化および復号化を行うために設計された携帯用暗号装置で、テープ印刷型の装置でした。M-209は陸軍での名称で、CSP-1500は海軍での名称です。この暗号機は前もって調節された設定に従って歯車の数がそれぞれ互いに素な6枚のディスクを相互に入れ替えることによって、高度な不規則性を生じます。この機械は、戦時中にM-94から取って代わられたものです。それはもともと、ボリス・ハーゲリン(Boris Hagelin)により1930年代後半につくられた機械に由来しています。ハーゲリンによってアメリカに持ち込まれてから、1940年に、いくつかが、陸軍通信隊(Army Signal Corps)によって購入されました。アメリカでそのデザインが単純化され、より頑丈にされたのちに、大量生産され、それが最初に使用されたのが、1942年11月のアフリカ侵攻のときでした。そして、第二次世界大戦のときには、14万個以上が生産されました。また、M209は韓国でも使用されていました。M-209は小さくて軽く、2、3時間で使用法がマスターできたので、陸軍で大人気でした。しかし、この暗号装置は暗号学的に決して安全とはいえなかったので、敵の解読を2、3時間遅らせるだけのことでした。陸軍と海軍は、CSP-1500とM-209の同じ鍵をかけていて操作の手続きを使っていました。