オイラーの知っていたこと

 Fnが素数pを約数に持つなら

 p ≡ 1 (mod 2n+1)            … (*)

証明)

2x を f (x) とおくと、(*)は次のように書きなおされる。

 Fn = f (2n) + 1 が素数 p を約数に持つなら

 p ≡ 1 (mod 2n+1)             … (*)’

Fnは素数pを約数に持つので

f (2n) ≡ -1 (mod p)            … (1)

辺々2乗して

{ f (2n) }2 ≡ 1 (mod p)

f (2n+1) ≡1 (mod p)

ここで位数に関する定理を使う。

位数に関する定理
 an ≡ 1 (mod p)

 が成り立つ最小の自然数 n を位数 e と呼び n は常に e の倍数となる。

位数を e とおくと e は 2n+1 の約数なので

(2、2、2、…、2n+1

のどれかになる。ここで

 e = 2k ( k ≦ n )

とおくと

 f ( 2k ) ≡ 1 (mod p)            … (2)

両辺に(2)の両辺を掛け合わせる。 … (3)

 { f ( 2k ) }2 ≡ 1 (mod p)

  f ( 2k+1 ) ≡ 1 (mod p) 

(3)を繰り返すと

f ( 2k+2 ) ≡ 1 (mod p)

f ( 2k+3 ) ≡ 1 (mod p)

f ( 2n ) ≡ 1 (mod p)

これは(1)に反する。

∴ e = 2n+1 (つまり 2n+1 が位数)

ここでフェルマーの小定理より

 p が素数で a が p の倍数でなければ

 ap-1 ≡ 1(mod p)

2p-1 ≡ 1(mod p)

p-1 は 2n+1 の倍数、つまり

p ≡ 1 (mod 2n+1) (証明終)

 オイラーの知っていたこと